「諦めた姿勢」が変わる!骨盤ケアで取り戻す軽やかな毎日
骨盤は体の中心にあり、上半身と下半身をつなぐとても大切な部分です。骨盤が安定していることで、体全体のバランスや姿勢が保たれ、健康にも良い影響を与えます。
しかし、現代の生活では長時間のデスクワークや運動不足などにより、骨盤が不安定になりがちです。その結果、反り腰や骨盤の後傾、猫背などの姿勢の乱れが起こりやすくなります。
骨盤が不安定になる主な原因は、骨盤まわりの筋力の低下です。特に、長く座っている時間が多い人は筋肉が使われにくく、次第に支える力が弱くなっていきます。
骨盤が不安定な状態が続くと、姿勢の崩れだけでなく、腰痛や肩こり、頭痛など、さまざまな不調を引き起こすこともあります。
このブログでは、骨盤の不安定さが体にどんな影響を与えるのか、そして骨盤を安定させるためにできることを、わかりやすくご紹介していきます。
なんで私が猫背に?原因は「骨盤」だったなんて!苦労して改善するのはもうやめましょう
「猫背がなかなか改善しない」「慢性的な腰痛がある」「気づくと姿勢が悪くなっている」――こんな悩みを感じている方は多いのではないでしょうか。
実はその原因、単に筋力不足や癖だけではなく、骨盤の不安定さが深く関係しているかもしれません。
骨盤は体のちょうど真ん中にあり、上半身と下半身をつなぐ土台のような役割をしています。この骨盤が前や後ろに傾いていたり、左右にゆがんでいたりすると、体のバランスが崩れやすくなり、自然と悪い姿勢になってしまうのです。
さらに、骨盤のゆがみや不安定さは、見た目だけでなく、腰痛・肩こり・疲れやすさ・集中力の低下など、さまざまな体の不調を引き起こす原因になります。
もし、いろいろな方法を試しても姿勢が良くならない、すぐに猫背に戻ってしまう…という場合は、まず骨盤の状態を見直してみることが大切です。
知っておくべき骨盤の不安定さが引き起こす3つの不調

骨盤が不安定になると、上半身と下半身を繋いでいるぶん、姿勢に影響を及ぼしやすく、その代表的な問題の一つが「反り腰」と「後傾位」です。それぞれの姿勢は、骨盤の位置によって大きく左右され、長期間続くと体全体のバランスが崩れ、不調が現れていきます。
また、「猫背」は多くの現代人が抱える姿勢の問題の一つです。そして、この猫背の原因の一部に、骨盤の不安定性が関わっていることをご存知でしょうか。実は骨盤の安定が崩れることで、猫背が悪化する可能性が高まります。ここでは骨盤の不安定さが引き起こす「反り腰」「後傾位」「猫背」の3つの不調について解説します。
反り腰とは何か?
反り腰とは、腰椎(背骨の腰の部分)が過剰に前弯することで、腰が反り返った状態になることを指します。この状態になると、骨盤が前方に傾き(前傾)、背中や腰にかかる負担が増大します。長時間の座り仕事やヒールを履くことが原因となりやすく、腰痛や背中のこわばりを引き起こします。
反り腰の典型的な症状は以下の通りです。
・腰痛
・下腹部のぽっこり感
・疲れやすい背中
・股関節や膝への違和感
後傾位の特徴
後傾位は、反り腰とは反対に、骨盤が後ろに倒れている状態です。骨盤が後傾することで、背骨全体のS字状のカーブが失われ、背中がC字状に丸まり、肩が内側に巻き込まれ、頭部が前方にいくような姿勢となります。一般的に多くみられる猫背の原因でもあります。 背中全体のこわばり、さらに肩こりや頭痛などが引き起こされることがあります。特に座り仕事や猫背姿勢が続くと、骨盤が後傾しやすくなるのが特徴です。
後傾位の典型的な症状は以下の通りです。
・猫背
・背中や肩のこり
・首や肩の緊張
・胸部、腹部の圧迫感
骨盤の位置と姿勢の関係
骨盤の位置は、体の姿勢全体に大きな影響を与えます。前傾しすぎると反り腰に、後傾しすぎると猫背に。それぞれの姿勢は、腰痛や肩こりなどの慢性的な不調につながりやすいため、適切な骨盤の位置を維持することが非常に重要です。
猫背の原因と骨盤の役割
猫背は、主に背中が丸くなり、頭が前に出る姿勢のことを指します。猫背が続くと、肩こりや首の痛み、さらに呼吸が浅くなるなど、さまざまな体調不良を引き起こします。主な原因は、姿勢を支えている筋力の低下と合わせて、拍車をかけているのが長時間のデスクワークやスマートフォンの使用による前かがみの姿勢です。
ここで注目すべきなのは、猫背と骨盤の位置が密接に関係している点です。
骨盤が後ろに傾いている(後傾位)の場合、自然と背骨全体が丸まりやすくなり、猫背の姿勢が強調されてしまいます。逆に、骨盤が適切な位置にあると、背骨の自然なカーブが維持され、猫背になりにくくなります。
骨盤が不安定だと猫背が悪化する理由
骨盤が不安定で後傾すると、背中がC字状に丸まり、自然と頭が前に出てしまいます。この状態が長引くと、首や肩、背中の筋肉に過度な負担がかかり、筋肉の緊張やこわばりを引き起こします。また、背中が丸まることで、肩が内側に巻き込まれ肺を圧迫します。そうなると呼吸が浅くなり、十分な酸素が体に取り込まれにくくなります。これが疲労感や集中力の低下、さらには精神的なストレスの原因となることもあります。
つまり、骨盤が安定していないと、全身の姿勢が崩れやすくなり、猫背の改善が難しくなるため、まずは骨盤の安定を図ることが大切ということがわかります。
骨盤を安定させるために必要な3つのこと

骨盤の安定性を取り戻すためには、いくつかの要素をバランスよく整えることが必要です。ここでは、骨盤の安定を支えるために重要な筋肉のバランス、ストレッチ、姿勢改善、そして生活習慣の見直しについて解説します。
筋肉のバランスを整えるストレッチ
骨盤周りの筋肉が硬くなると、骨盤が前傾または後傾しやすくなります。特に、太ももの前側(大腿四頭筋)や後面(ハムストリングス)、腰の筋肉(腸腰筋)が硬くなりやすいため、これらを重点的にストレッチすることが重要です。加えて、骨盤は唯一上半身と下半身を繋いでいるパーツなので、下半身だけでなく上半身のストレッチも合わせて行うとより効果的です。局所だけでなく全身のストレッチをすることは骨盤の安定には欠かせません。 ストレッチによって筋肉の柔軟性を保ち、骨盤の位置を自然に戻しやすくします。
体幹筋(コア)の強化と姿勢改善
骨盤を安定させるためには、体幹(コア)の筋肉を強化することが重要です。体幹とは胴体部分を指すため、腹筋や背筋、そして骨盤底筋群の強化が、骨盤の正しい位置を維持するために必要です。これらの筋肉を鍛えることで、骨盤が不安定になるリスクを減らし、姿勢の改善にもつながります。
姿勢改善もまた、骨盤の安定に欠かせません。デスクワーク時や立ち姿勢を意識して、骨盤が前後に傾きすぎないように心がけることが大切です。姿勢矯正やストレッチ、体幹トレーニングと合わせて行う事で、普段の姿勢が良い状態で保ちやすくなります。意識する事と、整えていくことを同時にすることが姿勢の安定に繋がります。 普段の姿勢を正しく保つことで、筋肉や関節に余分な負担をかけず、骨盤が自然な位置で安定します。
生活習慣の見直し
長時間の座り仕事や運動不足は、骨盤が不安定になる大きな原因です。これを防ぐには、日常的に運動やストレッチを取り入れて、骨盤まわりの筋肉を健康に保つことが大切です。また、座り方やデスク環境にも注意が必要です。たとえば、椅子に深く腰かけすぎると、背中が丸まりやすくなるため、椅子のやや前方に座り、骨盤が傾かないように意識しましょう。
さらに、デスクではキーボードやマウスが遠すぎると、前かがみの姿勢になりがちです。手元が自然に届く位置に調整し、正しい姿勢を保ちやすくすることがポイントです。こうしたちょっとした生活習慣の見直しが、骨盤の安定につながり、体全体のバランスを整える助けになります。
1日たった5分で改善!骨盤を起こすための体幹トレーニング
骨盤の不安定さを解消し、正しい姿勢を取り戻すためには、日々の体幹トレーニングは必須条件です。ここでは、骨盤を前傾・後傾のバランスを整え、安定させるための具体的な体幹トレーニングを紹介します。これらは、自宅で簡単に取り組めるものばかりなので、日常的に実践してみてください。
ドローイン

①床に仰向けになって膝を立て、鼻から息を吸ってお腹をふくらませます。
②ゆっくりと口から息を吐いていきながら、同時にお腹を凹ませていきます。
空気を吐き出しきってお腹がぺたんこになるように15~20秒間息を吐き続けます。
ドローインは、お腹周りのインナーマッスル(腹横筋、多裂筋、横隔膜)を鍛えるのに効果的です。
バックブリッジ

①仰向けに寝て、膝を曲げた状態で足を床に置きます。
②お尻を持ち上げ、肩から膝までが一直線になるようにします。
この時、骨盤を安定させながら持ち上げることを意識しましょう。5秒間キープして、ゆっくり戻します。これを3~5回繰り返します。
バックブリッジは、骨盤底筋やお尻の筋肉、ハムストリングスを鍛えるのに効果的です。
プランク

①うつ伏せになり両肘を曲げて床につける。
②つま先だけを床につけ、腰を浮かせてキープします。
腰が高すぎたり低すぎたりしないよう、頭から足先まで一直線になるよう意識します。
5秒間キープして、ゆっくり戻します。これを3~5回繰り返します。
プランクは、お腹周りや背中を鍛えるのに効果的です。
これらの体幹トレーニングを定期的(週2~3回)に続けることで、骨盤の位置が安定し、姿勢が改善されていきます。効果の表れ方には個人差がありますが、おおよそ2~3ヶ月で効果が見えてきます。
骨盤の安定が健康のカギ!今日からできるケアで姿勢も不調もスッキリ
骨盤の安定は、姿勢や体のバランス、そして日々の健康にとってとても大切な要素です。盤が不安定になると、反り腰や猫背、後傾姿勢になりやすくなり、体にかかる負担が偏ります。その結果、腰痛や肩こり、首の痛みなど、さまざまな不調の原因になってしまいます。
こうしたトラブルを根本から改善するには、骨盤を正しい位置に保ち、安定させることが必要です。
今回ご紹介したように、筋肉のバランスを整えるストレッチや体幹を鍛えるトレーニング、そして生活習慣の見直しがとても効果的です。とくに、体幹トレーニングを定期的に続けることで、骨盤まわりの筋肉がしっかりサポートされ、良い姿勢が保ちやすくなります。
骨盤が安定すると、全身のバランスが整い、腰や肩への負担も軽くなっていきます。日常の動作がラクになるだけでなく、疲れにくくなるなど、生活の質そのものがアップしますよ。まずは、普段の姿勢や生活習慣を少しずつ見直すことから始めてみましょう。骨盤を意識したやさしいケアで、快適な毎日を手に入れてくださいね。
執筆・監修
開原匡彦(かいはらまさひこ)

「根本から健康を支える治療家」
柔道整復師(国家資格)・ダイエットインストラクター(日本ダイエット健康協会)・KOBA式体幹バランストレーニングトレーナー・健康管理能力検定(文部科学省後援)2007年にえびす整骨院を開業し、18年間で延べ3,550人、施術回数84,000回の実績を誇る。
運動・栄養・生活習慣指導の資格を取得し、その場しのぎの施術ではなく、根本から健康を支える施術を実践。患者様一人ひとりの不調の原因を見極め、最適な施術計画を提供することを信条とし、患者様と相互理解を深め、総合的なアプローチで患者様をサポート。健康第一のライフスタイルを貫き、趣味はストレッチ・食養・温泉巡りで、日々自身の健康管理にも努めている。