起床時の肩や腰の痛みから抜け出す方法

2025年01月16日(木)

なぜ朝起きたら体が痛むのか?

起床時の肩や腰の痛みから抜け出す方法-1

患者様からよくある質問の中に、「朝は寝起きが特に肩や腰回りの筋肉が硬まっているようで調子がわるいけど、日中には硬さも薄れていき問題がなくなってきます。でもまた翌朝には同じように硬くなっています。これはなぜでしょうか?」と聞かれることがあります。

その他にも手がむくむ、こむら返りで目が覚めるなど、睡眠によって疲れが取れたのかと思いきやかえって朝方に身体に痛みが起きたり、だるさが起こることがあります。

今回は起床時になぜ体が痛むのかを解説していきます。

起床時の身体の痛みの原因、実は寝具ではない

寝るスペースが窮屈である、音や光、臭いの影響があるなど、ストレスにより安心して眠れる環境が整っていない場合では睡眠の質はかなり低下します。

起床時に身体の痛みがある原因に「枕が合わない」「敷布団・マットレスが合わない」と言われる方が多く居られます。しかし本当に疲れが取れない原因のほとんどに寝具は関係していません。もちろん全く合わないものを使用している場合は調整が必要です。

以前は痛みも起こらず問題がなく使えていたものが、いつの日か痛みを伴うような寝具になるのかと考えると疑問が残ります。寝具を入れ替えても起床時の痛みが改善されない場合など、実は寝具の影響よりも日常の生活習慣の影響の方がはるかに睡眠時に影響を与えていると考えています。

実際にオーダーで作った枕を使用しても、「確かに寝心地は良くはなったが、症状は劇的に変わることはない。」という声はたくさん患者様から耳にします。寝具よりも日常の生活習慣の影響の方がはるかに睡眠時に影響を与えている表れではないでしょうか。

だからといって寝具はいらないというわけでもなく、もちろん寝具を理想的な物に変える事も睡眠環境を整える一つの手段になります。

寝起きに襲ってくる痛みの本当の原因は3つある

起床時の肩や腰の痛みから抜け出す方法-2

睡眠中は筋肉の緊張が解放され、脈拍や呼吸もゆっくりとなり体温や血圧が下がります。全身がリラックス状態になるのにも関わらず、なぜか朝に目覚めるときには筋肉が硬くなっていて痛みを伴う事もある。

実はこれらには明確な原因があります。主な原因は3つに分けられます。

①そもそも睡眠時は一時的に筋肉が硬くなっている

睡眠時は体温が下がり身体の動きがない分どのような方でも全身の筋肉は一時的に硬くなります。しかし硬いからといって痛みが起こる人、起こらない人がいます。痛みが起こる人の特徴として共通することは「日常的に筋肉が硬くなる習慣を行っている」ことです。

日常的にデスクワークや乗り物移動が多いなど体の動きがない環境が続くと、血流が悪くなり筋肉に栄養や酸素が行き届かなくなり筋肉は硬くなります。反対に過度に身体を動かし過ぎている場合では、乳酸など疲労の蓄積により筋肉は硬くなります。

加えて姿勢に歪みがある状態ではより血流が悪くなるため、それらの習慣が続けば続くほど症状は慢性化していきます。身体の動きは少なすぎても多すぎても影響があるため、いずれにしても程ほどに行うことが重要です。さらには精神的ストレスが合わさるとより症状は顕著となります。

②自律神経の影響

自律神経は交感神経と副交感神経の二つに分けられています。交感神経はスイッチのON副交感神経はスイッチOFFです。日中に活動的に動いている時は交感神経の働きが強まり、身体を動かすことで筋肉が収縮して血流を作ります。反対に睡眠時は副交感神経の働きが強まり、筋肉を動かしてなくても血管は拡張され血流が促されるようになっています。

自律神経が乱れてしまい睡眠時でも交感神経の働きが強まると血管を収縮してしまい、睡眠時の血流が悪くなってしまいます。その結果、身体の疲れが取れないことに繋がり、朝に目覚めたときから筋肉の硬さや痛みを伴う原因となります。

自律神経が乱れる原因一覧です。

・睡眠不足
・運動不足
・食生活の偏り
・過度のストレス
・姿勢の歪み
・環境の変化
・季節の変わり目
・更年期や思春期などのホルモンバランスの変化

➂暴飲暴食

睡眠中でも胃や腸は働いています。しかし基本的に睡眠中は内臓も休息に入り働きはゆっくりとなります。そのため睡眠前に食べ過ぎ、お酒を飲みすぎると、睡眠の質を落としてしまいます。消化にエネルギーを取られ過ぎていると、内臓に負担がかかるため、睡眠の質が悪くなり、疲労の回復がうまくなされません。

したがって就寝前にお腹いっぱいの状態で睡眠に入ると、睡眠中に内臓の活動が活発になり過ぎてしまい、内臓に血液の供給が過度に行われます。ゆえに筋肉に血液供給が不足することで、筋肉の疲労が十分に回復されず、筋肉の緊張となり痛みを伴う場合があります。

筋肉の影響だけでなく、消化不良や内臓に負担がかかるため寝る前の暴飲暴食は避けたいところです。

朝起きたときの痛みは「回復と負荷のバランス」で決まる

これら①~③のような習慣が続けば続くほど身体には負担が蓄積されていきます。つまり睡眠中にリラックスが行われ肉体の回復よりも、習慣による負担の蓄積の方が勝っているという表れでもあります。この負担と回復のバランスが崩れることが、目覚めた時の筋肉の硬さや痛みの原因ということです。

端的に言うとキャパオーバーです。ほとんどの場合、セルフケアでは解決出来ないくらい、自律神経の乱れや姿勢の歪み、筋肉への疲労が蓄積し過ぎていることが原因です。日中の活動がそれだけ睡眠時に影響を及ぼしているということでもあります。

だからこそ日常の生活習慣の中で負担を改善する働きかけをすることがとても重要です。

睡眠の質を上げるために取り入れるべき生活習慣

起床時の肩や腰の痛みから抜け出す方法-3

ではどのような対策を取れば起床時の身体の硬さや痛みを改善することができるのでしょうか。前述の通り原因は生活習慣にあります。つまり自律神経が乱れない生活習慣を心がけることが必要となります。加えて睡眠の質を改善するためにリラックスできる環境を整えることも大事です。


以下に取るべき対策を一覧にしています。

・ウォーキングなどの運動習慣
・運動過多の場合は休息も必要
・普段から姿勢を意識する
・寝る前のストレッチ
・栄養バランスの整った食事
・睡眠3時間前に食事を済ます
・暴飲暴食を避ける
・シャワーのみを避けて入浴をする
・寝具を理想的な物に変える
・睡眠直前は勉強や仕事を避ける
・睡眠前のスマホやパソコンの使用を避ける
・室内の照明を少し暗くする


いきなり上記の対策全てに取り組むのは難しいかもしれません。ですが、一つでも多く生活習慣に取り入れることで睡眠の質が向上します。ぜひ取り組んでみてください。

えびす整骨院では目の前の痛みの対処だけでなく、痛みを再発させないための生活習慣を身に付けるサポートも致します

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