どうして疲れると甘いものが欲しくなってしまうのか?

2024年12月11日(水)

どうして疲れると甘いものが欲しくなってしまうのか?-1

疲れた時や一息入れたい時など甘いお菓子や飲み物が欲しくなりますよね。糖質はエネルギー源として体に必要な成分ですが、美味しさや幸福感を得るために過剰に摂取してしまうと健康に悪影響を及ぼします。

お菓子に含まれる糖質(白砂糖・ブドウ糖・人工甘味料など)は依存性・中毒性が高く「白い悪魔」「マイルドドラッグ」と呼ばれる側面もあります。

今回はなぜお菓子に含まれる糖質は依存性・中毒性が高いのか解説していきます。

まずは簡単にできる甘いもの依存度チェック

以下の項目のうち、あなたはいくつあてはまりますか?

・ストレスを感じると甘い物に頼る
・疲れやすく甘い物を食べると元気になる
・甘い物を食べないと落ち着かない
・甘い食べ物を探してしまう
・我慢しているとイライラする








実は、1つでも該当することがあればすでに甘い物の依存症状が起きています。

いい糖質と悪い糖質は何が違うのか?

糖質といってもお米などの主食も糖質です。しかし炭水化物(米・パン・麺)である糖質は、お菓子に含まれている精製された糖質とは体内に入った際の作用に大きな違いがあります。

炭水化物と言われる糖質は食べて胃で消化して腸ではじめて「ブドウ糖」に置き換わり体内が吸収されます。いくつもの工程を経て吸収されるため血糖値の上昇は緩やかです。

一方で、お菓子やジュースなどに含まれる精製された糖質はすぐに体内に吸収されるため血糖値の急上昇を招いてしまいます。なぜならすでに「ブドウ糖」に精製されたものがダイレクトに体内に入ってくるからです。

血糖値の急上昇が甘いもの中毒につながるメカニズム

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血糖値が急上昇するとドーパミンやエンドルフィンといったホルモンが分泌されます。これらのホルモンは美味しいものを食べたり、好きなことをしたり、褒められたりした時に「快楽」を感じる働きがあります。

砂糖菓子を食べ血糖値が上昇しドーパミンやエンドルフィンが放出されて快楽を得ると、脳がそれを学習して再びその行為をしたくなります。「美味しい・幸せ・もっと食べたい状態になります。」体が糖質を必要としていない状態でも快楽を得るために糖質を摂ってしまう。

これが依存性・中毒性の原因です。

加えて血糖値の上昇を抑えるために膵臓から大量のインスリンが分泌されます。インスリンの作用により今度は血糖値が急激に下がり、「眠気」「イライラ」などの不快な症状が起こります。すると次には血糖値を再度上げようとして糖質が欲しくなってきます。このように血糖値が乱高下することで、さらに甘いものが食べたくなるという悪循環となり依存・中毒状態の深みにはまっていきます。

糖質からエネルギーを摂取したいという本能との戦い

歴史をたどると人間は、「飢え」との戦いでもありました。目の前に貴重なエネルギー源である糖質があると、「生きるためにチャンスがあれば糖質を摂る」ということがプログラミングされています。それだけにコントロールが大変です。

精製された白砂糖は自然由来の砂糖に比べて、精製されているぶん甘味はかなり増しているのもあり中毒になりやすいです。甘いお菓子を食べて幸福感があるのは癒しの時間です。その時間が適度でかつ自己コントロール出来るのであれば問題ありません。しかし糖の摂取頻度が増えて過度になってくると、脳が快楽を得るために「糖質が欲しい」と訴えかけてくるため、意思の問題ではなかなか解決することが難しくなっていきます。

何事にも言えることですが過剰になるから問題が生じてしまうのです。

甘いもの中毒が引き起こしてしまう糖尿病

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糖尿病は今や国民病と言われるほどの問題です。糖尿病とまでいかなくても、将来糖尿病になる可能性を否定できない予備軍と言われる方が男性で約20%、女性で約10%と厚生労働省の調査でわかっています。糖尿病は1型と2型にわかれており、1型は遺伝的な因子に加えて、ウイルスなどが原因となる糖尿病で全体の1割程度です。9割のほとんど方は生活習慣が原因で起こる2型糖尿病です。この数字を知るだけでもいかに生活習慣に起因する糖尿病が多いかわかります。

糖質を摂りすぎて膵臓に無理をかけ続けるとやがてインスリンが正常に分泌されなくなり血糖値を正しくコントロールできなくなります。その状態のまま何も対策しないでいるとやがてインスリンの分泌の量や作用の低下が起こり糖尿病となります。糖尿病を発症する前の段階であれば、糖質をコントロールすることで健康な状態に戻ることは十分に可能ですが、糖尿病になってしまうと元の健康状態に戻れるかの望みはとても薄いです。

未病で防ぐことが重要です。このページの冒頭の「甘いもの依存度チェック」で依存症状が起きていると判明した方もあきらめないでください。甘いもの依存から脱却する方法があります。

甘いもの依存から抜け出す方法

前述のとおり依存の原因は、血糖値が急上昇することでホルモンが分泌されその作用によって脳内で起こっていることがわかりました。血糖値を急上昇させる根本原因は精製された糖質です。この悪循環から抜け出すための唯一の方法は「甘いもの・清涼飲料水やお菓子をいっさい食べないこと」です。大事なのはすっぱりと辞めることです。期間は10日~2週間。

ちょっとだけならいいだろう、では脳がなかなかリセットできません。異常な食欲がリセットされると不思議と「甘い物が食べたい」という強い欲求に襲われなくなっていきます。実際に毎日のようにお菓子や飲料など食べていた方が、「なぜあんなに甘い物を欲していたのだろうか?」と思えるくらい食べなくても大丈夫になります。

それでもたまには食べたくなります、その際は、「食べると美味しいけど依存性があるからこれでしばらくお休みにしよう」と思って食すことです。罪悪感がありながら美味しくいただく。矛盾しているようで健康の事を考えると当然のことかもしれません。

失敗する方は「まったく食べられないのは人生の楽しみが無くなってしまう」、「砂糖がだめならゼロカロリーの甘味はどう?はちみつならいい?」と感情的になり何かにつけて甘い物の代替品を探していますが、その時点で依存症状がでています。もし間食がしたいのであれば、それがケーキではなくオニギリやゆで卵でもいいわけです。甘い物が間食の代表にならなくてもいいはずです。

最初はつらいと思いますが、長い目で見ると一切食べないことが依存・中毒状態から脱却する近道です。

糖質依存が抜けてくる際に離脱症状が起こることがあります。

糖質依存から抜け出す過程でみられる離脱症状

・頭痛
・疲労感
・イライラや不安感
・集中力の低下


特に最初の3日間はこのような症状が起こりやすいですが、健康を害して起きている症状ではなく快方に向かうために起こっている反応ですので心配はありません。

なぜ整骨院が甘い食べ物の依存を気にするのか?

当院では甘い食べ物の管理も根本療法の一環として指導しています。肩こりや腰痛などの症状とどのような関係があるのかと思われるかもしれませんが、とても密接な関係をもっています。なぜなら筋肉や骨など臓器は食べた物からできているからです。糖質でも甘いお菓子や飲料水に偏った糖質を摂りすぎると、筋肉の質そのものが低下します。

精製された糖質はビタミンやミネラルを失っていて栄養に乏しいです。本来は人間が生きていくうえで必要のない食べ物です。その糖質ばかりに偏った肉体では、栄養が十分に行き届かず、痛めやすく硬い筋肉となっていきます。そうなるといくら外側から整体や姿勢矯正などのアプローチをしたからといっても効果は限定的です。

精製された糖質は健康を害するリスクが多大にあることを理解して摂取していくことを心がけましょう。好きなだけ食べ続けて気が付かないうちに中毒に陥ってしまう特徴もマイルドドラッグの恐ろしさです。

施術の効果を高めるためにも、本来持っている治癒力を高めるためにも、良好な肉体状態を保つためにも栄養のバランスを考えた食事を摂ることは必要不可欠です。

体の内側から根本的に健康になりたい方は「えびす整骨院」にご相談ください

えびす整骨院では、患者様の表面的な健康ではなく、体の根本からの健康を実現するお手伝いをしております。体の不調を根本的に解消したいと本気でお考えの方は、ぜひ当院へご相談ください。