毎日ちょっとで体スッキリ!ストレッチで始める健康習慣
筋肉はゴムのような性質を持っている

筋肉はゴムのように伸び縮みすることで、本来のパフォーマンスを発揮します。しかし、硬くて脆くなった筋肉は、ちょっとしたきっかけで簡単に痛めてしまいます。
たとえば、長い間使っていなかった輪ゴムを久しぶりに引っ張ると、ブチッと切れてしまうことがありますよね。実は、筋肉にもこれと同じことが起こるのです。
しばらく動かしていなかった筋肉を、いきなり使うとケガの原因になります。よくあるのが、子どもの運動会で張り切って走って、足を痛めてしまうお父さんの例です。これは「急に使ってしまったことによるケガ」ですね。
また、こうした急なケガだけでなく、慢性的なトラブルも起こります。運動不足、偏った食生活、ストレスなどの影響で、筋肉はどんどん硬くなり、質が悪くなっていきます。そうなると、ギックリ腰のような急な痛みだけでなく、常に筋肉が緊張して痛むといった慢性的な不調も引き起こすのです。
こうした筋肉の問題に対しては、さまざまなセルフケア方法があります。その中でも特におすすめなのが「ストレッチ」です。
もちろん、筋力トレーニングや有酸素運動(ウォーキングなど)も効果的ですが、今回はストレッチの重要性についてお伝えしていきます。
背伸びでハッピーになる科学的な理由、知っていますか?

日光を浴びながら背伸びをして、なんとも言えない心地よさを感じたことはありませんか? これは、筋肉が伸ばされることで人間がとても喜ぶ現象が体内で起きているからです。
ストレッチによって血流が全身に巡り、体温が上がり、神経の流れもスムーズになります。さらに、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンやエンドルフィンが分泌され、心も体も活発になるのです。このように、ストレッチは身体が喜ぶ行動なんです。
「1日たった数分」で体が変わる!ストレッチの驚きの効果6選
ストレッチは一度や二度で劇的な効果が出るものではありません。 長年の運動不足で硬くなった筋肉が、すぐに柔らかくなるわけではないからです。
大切なのは「継続すること」。毎日の習慣にすることで、少しずつ身体の変化を感じられるようになります。
おすすめは「朝と夜」に取り入れること。無理のない範囲から、まずは少しの時間からでもよいので自分のペースで続けてみましょう。
[日常生活に運動を取り入れるコツ(ブログリンク)]
以下にストレッチで得られる体感の代表的な例を紹介します。
姿勢がよくなる
ストレッチによって筋肉の緊張がやわらぎ、筋肉の硬さの偏りがなくなります。筋肉のバランスが整うと、自然と姿勢のバランスも良くなります。当院の姿勢矯正とあわせて行うことで、より効果的に姿勢を整えることができます。
コリが緩和される
ストレッチを行うと筋肉が伸びて血流が良くなります。血流は筋肉に栄養と酸素を届け、老廃物の排出を行います。その結果、筋肉の疲労が蓄積されなくなり回復も高まるため、筋肉が凝るという症状が根本から解消されていきます。
関節の可動域が広がる
筋肉が柔らかくなると、関節の動きもスムーズになっていきます。動く範囲が大きくなり、運動パフォーマンスや日常動作がよりスムーズになります。特に高齢になると関節の動きが硬くなりやすいため、ストレッチを日常的に行うことで、関節の可動性を維持することが重要となります。
自律神経が整う
ストレスの多い環境では自律神経が乱れていきます。特に交感神経(興奮させる神経)が優位になり過ぎることで、筋肉に力が入り緊張状態が起こります。その状態では肩こりや頭痛、不眠といった症状が現れやすくなります。ストレッチを行うことで副交感神経(リラックスさせる神経)が優位になり、心身の緊張が解けます。ストレッチは単に体をほぐすだけでなく、リラクゼーション効果も期待ができ、自律神経にも良い影響を与えます。
ケガの予防
筋肉や関節の柔軟性があると、関節の可動域が広がり、筋肉のバランスが整い姿勢も良くなるため、スポーツや日常の動作の思わぬ動きによる怪我を防ぎやすくなります。
ダイエット効果
ストレッチを行うことで血流が改善されると、体温が上がり基礎代謝が向上します。基礎代謝が高い状態を維持できれば、普段の生活の中で消費されるエネルギー量が増え、結果的に太りにくく痩せやすい体質へと変化していきます。加えて可動域が向上すると体の動きも大きくなり、より代謝が高まります。
効果倍増!ストレッチで気をつけたい3つのポイント

ストレッチの効果をしっかり得るためには、やり方がとても大切です。以下の3つのポイントを意識して行いましょう。
① 呼吸を意識する
ストレッチ中は「自然な呼吸」を心がけましょう。 息を止めてしまうと筋肉が緊張してしまい、ストレッチの効果が下がってしまいます。ゆっくりと呼吸を続けながら行うことで、体がリラックスし、より効果的に筋肉を伸ばすことができます。
② 反動をつけない
勢いをつけたり、バウンドするように動かすと、筋肉や関節を痛めてしまうことがあります。特に朝は筋肉が硬くなっているため、無理をするとケガの原因に。「気持ちいい」と感じるところまで、ゆっくりと伸ばしていきましょう。
③ 無理をしない
痛みをこらえながら無理にし続けても、早く柔らかくなるわけではありません。大切なのは、自分の体の状態を知り、無理のない範囲で続けることです。「今日はここまで」と思えるラインを見つけて、マイペースで取り組みましょう。
もう挫折しない!毎日ストレッチを続けるコツとベストな時間帯
ストレッチの効果を最大限に引き出すために大切なのは「継続すること」です。とはいえ、「三日坊主で終わってしまう」「忙しくて続けられない」と感じている方も多いのではないでしょうか?
ポイントは、ストレッチを日常生活の一部に組み込むこと。歯を磨いたり髪を洗ったりするように、「当たり前の習慣」として続けることで、無理なく継続しやすくなります。
以下のタイミングで行うのがおすすめです。
朝起きたあと
寝ている間、筋肉は硬くなっています。起床直後に無理に伸ばすと痛める可能性があるため、少し体が目覚めてからストレッチを行いましょう。たとえば、身支度や朝食を済ませたあとが最適です。朝のストレッチは体をしっかり目覚めさせ、代謝を高め、1日を元気に過ごす助けになります。ダイエットにも効果的です。
仕事や家事の合間に
ちょっとしたスキマ時間に取り入れるのも効果的です。スマホを見ながら休憩する代わりに、軽くストレッチをすると心身ともにリフレッシュできます。短時間でも積み重ねが大きな効果につながるので、意識して取り入れてみてください。
入浴後や寝る前
お風呂で体が温まっているため柔軟性が向上しやすく、ストレッチ効果が高まります。 寝る前に行うとリラックスでき、睡眠の質も向上し、疲労回復にもつながります。
ストレッチを毎日の生活に取り入れることで、次第に「ストレッチをしないと体が整わない」と感じるようになります。このように自然と身体がストレッチを求めるようになり継続・習慣化ができるようになります。
毎日行うことが大切ですが、痛みがある場合や疲労がある時は無理にされず、できる範囲でストレッチをしたり、1〜2日お休みすることも問題ありません。その後はもちろん再開しないと習慣化しないため継続する意識は高くもっていきましょう。
ストレッチを行う際の注意点
ストレッチはメリットばかりで身体にとても良いですが、やり方を間違えると逆効果になることもあります。安全に続けるために、以下のポイントに気をつけましょう。
・朝起きた直後など急に思いっきり伸ばさない
・気持ちのいい程度で止めること
・心地が良いからといってやり過ぎない
・筋肉や関節を痛めている時はお休みする
・お酒を飲んだ後は行わない
・体調不良のときはお休みする
無理なく続けることが、ストレッチの効果を高めるコツです。自分の体と相談しながら、心地よく習慣化していきましょう。
まずは1分から。健康を育てるストレッチ生活のすすめ
ストレッチには、筋肉や腱を柔らかく保つだけでなく、姿勢の改善、関節の動きの向上、血流促進、疲労回復、さらにはリラックス効果による自律神経の安定など、たくさんのメリットがあります。健康的な毎日を送るうえで、とても大切な習慣といえるでしょう。
ただし、ストレッチには即効性はあまりありません。 「すぐに体が柔らかくなる」「痛みが一気に取れる」といった劇的な変化を求めすぎると、途中で続けるのがつらくなってしまうかもしれません。
ストレッチは、コツコツ続けることで少しずつ体が変わっていく運動法です。続けた分だけ、確実に未来の自分の体は変わっていきます。
今日から始めるためのひと言メッセージ
「まずは1分でも大丈夫。続けることで未来の自分が変わります。」
ストレッチに費やす時間は、ほんの少しでも構いません。わずかな時間からでも継続していけば、やがて大きな変化として返ってくるはずです。ストレッチをすることは歯を磨く、髪を洗うと同じように生活の一部にすることで習慣化しやすくなります。
今日からぜひ、無理なくストレッチの習慣を取り入れ、健康な身体と心を手に入れてください。
執筆・監修
開原匡彦(かいはらまさひこ)

「根本から健康を支える治療家」
柔道整復師(国家資格)・ダイエットインストラクター(日本ダイエット健康協会)・KOBA式体幹バランストレーニングトレーナー・健康管理能力検定(文部科学省後援)2007年にえびす整骨院を開業し、18年間で延べ3,550人、施術回数84,000回の実績を誇る。
運動・栄養・生活習慣指導の資格を取得し、その場しのぎの施術ではなく、根本から健康を支える施術を実践。患者様一人ひとりの不調の原因を見極め、最適な施術計画を提供することを信条とし、患者様と相互理解を深め、総合的なアプローチで患者様をサポート。健康第一のライフスタイルを貫き、趣味はストレッチ・食養・温泉巡りで、日々自身の健康管理にも努めている。