治らないと言われた花粉症が変わった!対症療法vs根本療法のリアル

2025年07月23日(水)

あなたの不調、原因はどこに?2つの治療法を徹底比較!



現代の健康問題に対するアプローチには、大きく分けて2つの方向性があります。
それが「対症療法」と「根本療法」です。

対症療法はその名の通り、症状を一時的に緩和し、身体に感じる不快感や痛みを素早く取り除くことを目的としています。 一方で根本療法は症状の根本的な原因を探り、その原因を取り除くことで再発を防ぎ、長期的な健康を目指すことを目的としています。

対症療法

現代の医療では、対症療法が一般的です。
とくに病院(西洋医学)では対症療法が主流となり、主な治療方法は投薬や外科的手術となります。

例えば、頭痛があるときに薬を飲んで痛みを緩和する、風邪の症状に対して薬を飲んで咳や鼻水を抑える、といったことは誰もが経験することです。しかし、対症療法だけに頼ることが、必ずしも健康全体にとって良いとは限りません。

なぜなら、症状の「結果」だけを取り除いても、「原因」が残ったままだからです。

根本療法

一方の根本療法は、症状の原因にアプローチします。

例えば、頭痛が何度も起こる人は、姿勢の悪さや運動不足が原因かもしれません。また、風邪を頻繁にひく人は、免疫力が低下している可能性があります。

このように、同じ症状を繰り返す場合や慢性的な不調があるときは、表面的な対処だけでなく、体の根本的な原因を見直すことが大切です。

根本療法は、症状の一時的な緩和ではなく、再発しないための体作りを重視します。長く健康でいるためには、こうした根本的なアプローチが欠かせません。

この記事では対症療法と根本療法という2つのアプローチの特徴やメリット・デメリットについてお伝えします。

その痛み、いつまでごまかしますか? 対症療法の落とし穴



対症療法とは、健康に問題が生じたときに、その原因に直接アプローチするのではなく、「症状そのものを緩和することを目的」とした治療法です。多くの現代医療で採用されている方法であり、患者が感じている痛みや不快感を速やかに取り除くことを重視します。 多くの病院が該当します。整骨院や鍼灸院、整体院などの民間療法でもそのほとんどが対症療法を主として行っています。

たとえば、腰痛で整骨院に行くと、「腰の筋肉が硬いですね」と言われ、患部をもみほぐしたり、電気をあてたりする施術を受けることがあります。 こうした処置によって血流がよくなり、一時的に症状はやわらぎます。その場では「楽になった」と感じることが多いでしょう。

しかし、その効果は長く続いているでしょうか?
多くの場合、時間が経つとまた同じ症状が出てくるのではないでしょうか。 これは、根本的な原因が改善されていないためです。

整骨院でのこのような施術は、対症療法にあたります。
また、整形外科では、痛み止めや筋肉の緊張をゆるめる薬を使って痛みを感じにくくする治療も、同じく対症療法です。

対症療法は、短期的にはとても効果的です。 つらい症状をすぐにやわらげてくれるのは大きなメリットです。

しかし、腰痛の根本的な原因である筋肉の状態、姿勢のくせ、運動不足、食事や栄養のバランス、生活習慣などが改善されていない場合、症状は繰り返し起こる可能性があります。

つまり、根本の原因にアプローチしないかぎり、同じ症状が再発しやすいというデメリットがあるのです。

対症療法のメリットは、短期間でつらい症状をやわらげられること。 デメリットは、原因が残ったままだと再発しやすいことです。

長期的な健康を目指すなら、症状だけでなく、その原因に目を向けた対策=根本療法もあわせて考えていくことが大切です。

不調の根っこを断つ!「根本療法」という選択肢



根本療法とは、症状の原因に直接アプローチし、それを取り除くことで健康を改善し、再発を防ぐことを目指す治療法です。 一時的に症状をやわらげる対症療法とは異なり、「なぜその症状が起こったのか?」という根本的な原因の追求と解決に重きを置いています。

たとえば、腰痛の場合に対症療法では、痛み止めや筋肉をゆるめる薬で症状を抑えるのが一般的です。

一方、根本療法では「なぜ腰痛が起きたのか?」を徹底的に探ります。 原因として考えられるのは、以下のような要素です。

・筋肉の緊張
・姿勢のゆがみ
・骨格の問題
・日常の動作のクセ
・食事や栄養バランス
・睡眠・ストレス・生活環境


これらの要因に合わせて、筋肉の調整、姿勢の改善、筋力トレーニング、ストレッチ、栄養指導、メンタルケアなども根本療法の一部として取り入れられくことが多く、体と心の両面からアプローチする場合もあります。

根本療法では、身体全体のバランスを整えることで、症状の再発を防ぎ、長期的な健康づくりを目指します。ただし、そのためには継続的な取り組みや計画的な施術が必要になります。

根本療法のメリットは、症状を一時的に抑えるだけでなく、原因からしっかり解決できることです。 その結果、薬に頼らずに体本来の自然治癒力を高めることも期待できます。

一方で、デメリットは効果が出るまでに時間がかかること。 根本的な改善には、ある程度の期間と継続したケアが必要になります。

対症療法の限界とリスク

対症療法は、ぎっくり腰などの急性症状に対して、短期間で痛みをやわらげる効果があります。とても便利な方法ですが、いくつかの限界やリスクがあることも知っておく必要があります。

対症療法の最大の問題点は、症状の原因を解決せずに、表面の不快感だけを取り除く点です。そのため、同じ症状を繰り返しやすくなります。

たとえば、ぎっくり腰になったときに痛み止めや神経ブロックなどで痛みをすぐに取り除くと、一時的には楽になります。しかし、ぎっくり腰の原因である姿勢の悪さや筋肉の緊張などが改善されなければ、また同じようにぎっくり腰が起こる可能性が十分にあるのです。

また、痛み止め薬の使用を繰り返すことで、だんだん効き目が弱くなってしまい、より強い薬が必要になるケースもよくあります。「最初は軽い痛み止めで済んでいたけれど、次第に強い薬に切り替えるようになった」という話も、実際によく耳にします。

このように、対症療法を続けることで自然治癒力が弱まり、体が本来持っている回復力を損なう可能性もあります。結果として、健康を根本から維持するのが難しくなってしまうことがあるのです。

さらに、対症療法に頼りすぎると、本来気づくべき原因を見逃してしまうリスクもあります。

たとえば、頭痛やめまいが出たときに「疲れやストレスのせいかな」と自己判断し、痛み止めでごまかしてしまうことがあります。 しかし、その背後に内科的な病気や神経系の問題が潜んでいる場合、早期に適切な対応をしないと深刻な健康問題に発展することもあります。

対症療法には、短期的にはとても便利で助かる一面があります。 ただし、それだけに頼っていると、根本的な問題を解決できず、症状を繰り返してしまう恐れがあります。

そのため当院では、原因にしっかり向き合う「根本療法」をおすすめしています。 症状をくり返さないためにも、体のサインにしっかり耳を傾け、本当の原因にアプローチすることが大切です。

その痛みを繰り返さないために。根本から変える健康習慣



根本療法が長期的に効果を発揮するのは、ただ症状を抑えるだけでなく、その原因に直接アプローチし、体全体のバランスを整えることを目的としているからです。

たとえば、ぎっくり腰の原因が筋肉の使い方や姿勢の悪さにある場合、根本療法では一時的に痛みを取るだけでなく、姿勢の改善や筋力強化といった再発を防ぐための対策も行います。

さらに、必要に応じて栄養療法やメンタルケアも取り入れ、心と体の両面からアプローチするのが特徴です。

根本療法では、施術だけでなく日常生活でのセルフケアもとても大切にしています。

・姿勢や動作の見直し
・ストレッチや筋力トレーニング
・食事や栄養バランスの改善


このように、患者さん自身が健康を管理できるよう、具体的な方法や習慣のアドバイスも行います。 ただ治療を受けるだけでなく、自分の体を自分で守れる力を育てることが根本療法の大きな目的です。

長期的に見れば、対症療法でその都度症状を抑えるよりも、根本から整えることで再発を防ぎ、健康的な状態をキープできるようになります。不快な症状に何度も悩まされることが減り、毎日をもっと快適に過ごせるきっかけになるはずです。

根本療法への取り組み方

症状だけに目を向けるのではなく、その原因にしっかりアプローチすることが、根本的な改善への第一歩です。

たとえば、ぎっくり腰には必ず原因があります。痛みを薬などでやわらげても、原因が解決されなければ症状は何度でも繰り返されます。原因は前回ご紹介したようにさまざまですが、生活環境や体の使い方は人それぞれ異なるため、一人ひとりに合った原因の見極めとアプローチが必要です。

また、施術を受けるだけでなく、患者自身がセルフケア(セルフメディケーション)を実践することも、根本改善には欠かせません。

ここでは、根本療法で実際にどのようなことを行うのかを具体的にご紹介します。

1. 姿勢と動作の改善

日常生活の姿勢や動きには多くのクセがあります。 座り姿勢・立ち姿勢・歩き方など、普段の動作を見直すことで、体への負担を減らすことができます。

2. 運動とストレッチ

筋肉や関節を柔らかく保つことで、血流がよくなり、筋肉の緊張が和らぎます。 継続的な運動やストレッチは、体のゆがみを防ぐうえでもとても効果的です。

3. 食事と栄養の見直し

私たちの体は、食べたものでできています。 栄養バランスのとれた食事は、体の修復や免疫力の維持向上に欠かせません。 場合によっては、避けたほうがよい食べ物があることも知っておくと良いでしょう。

4. 専門家のサポートを受ける

症状や体の状態に応じて、具体的なセルフケアの方法をアドバイスを提供します。自身の取り組みと合わせて専門家からのアドバイスがあるとより適切なケアをすることが可能になります。 一人で頑張るよりも、専門家と二人三脚で取り組むことでモチベーションも維持しやすくなります。

上記内容が最低でも必要な施術方法です。
内容はおひとりおひとりの環境に応じたものになっていくため、まずは初回に検査を行い根本原因を追究します。

対症療法と根本療法。どちらが本当にあなたに合うか?



ここまで記事を読んでいただければ、対症療法と根本療法にはそれぞれ異なる役割があることがお分かりいただけたと思います。

では、どちらがあなたに合っているのでしょうか?

私の考える理想は、対症療法と根本療法の両方をバランスよく取り入れることです。 短期的には症状をやわらげ、長期的には再発しない体を目指す。 この両立こそが、健康的で快適な生活を実現する近道ではないでしょうか。

もし慢性的な症状に悩まされているなら、根本療法を取り入れることで、より健康で快適な日々を手に入れることができるでしょう。

医者に「花粉症が治ることはない」と言われあきらめかけていたのですが…

私は毎年1〜5月、スギとヒノキの花粉症に悩まされてきました。 症状はかなり重く、毎日の薬に加えて、年に数回の免疫注射を受けることで、ようやく日常生活が送れるという状態でした。

複数の病院を受診し、「花粉症を根本から治したい」と相談してきましたが、どこでも「治すのは難しく、薬で症状を抑えるしかない」と言われ、何度も絶望感を味わいました。 それでも対症療法には救われていたので、治らないとわかっていても、薬や注射を続けるしかありませんでした。

ただ、年々薬の効果が薄れていき、より強い薬に変わったり、注射の回数が増えたりと、身体が薬に対して拒否反応を示しているような感覚がありました。 「これ以上強い薬に頼っていいのだろうか?」と悩みながら、月日が流れていきました。

そんなとき、「漢方薬で花粉症が根本から改善することがある」という話を聞き、藁にもすがる思いで漢方薬局を訪ねました。

そこで処方されたのは、腸内環境を整える漢方の煎じ薬。アレルギーは免疫の問題が関わっているため、腸の調子を整えることが鍵だと教わりました。

その後、約2年間漢方を飲み続けた結果、症状が10あったものが1〜2程度にまで改善しました。完治とまではいきませんが、日常生活が驚くほど楽になり、「このまま続ければもっと良くなる」と確信できました。

花粉症の時期には、漢方による根本療法と、必要に応じて対症療法の薬も併用しました。 薬に対して抵抗感はあったものの、つらい症状が軽くなることで助けられたのも事実です。

この経験から、「根本療法を続けながら、症状が強いときは対症療法も取り入れる」という選択肢の大切さを実感しました。

どちらか一方に偏るのではなく、対症療法と根本療法の“良いとこ取り”をすること。それが、現代の医療をうまく活用し、自分に合った健康づくりをしていくコツだと思います。

私の体験が、少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

執筆・監修

開原匡彦(かいはらまさひこ)

開原匡彦(かいはらまさひこ)

「根本から健康を支える治療家」

柔道整復師(国家資格)・ダイエットインストラクター(日本ダイエット健康協会)・KOBA式体幹バランストレーニングトレーナー・健康管理能力検定(文部科学省後援)2007年にえびす整骨院を開業し、18年間で延べ3,550人、施術回数84,000回の実績を誇る。

運動・栄養・生活習慣指導の資格を取得し、その場しのぎの施術ではなく、根本から健康を支える施術を実践。患者様一人ひとりの不調の原因を見極め、最適な施術計画を提供することを信条とし、患者様と相互理解を深め、総合的なアプローチで患者様をサポート。健康第一のライフスタイルを貫き、趣味はストレッチ・食養・温泉巡りで、日々自身の健康管理にも努めている。