完璧な健康なんてない?自分の“ウィークポイント”と上手に付き合う方法

2025年06月27日(金)

理想の健康と、私たちのリアル



「健康」と聞くと、できるだけ不調のない“完璧な体”を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。でも実際は、誰もが何かしらの弱い部分を持っているものです。

たとえば、以下のようなお悩みをよく耳にします。

・小学生の頃から身体が硬い
・筋トレをしてもなかなかに筋肉が付きにくい
・生まれつき骨格に多少なりとも歪みがある、問題を生じている(先天性股関節脱臼、白蓋形成不全、側湾症など)
・胃腸が弱い
・自律神経が乱れやすい
・精神的な緊張を起こしやすい

これらは、生まれつきの場合もあれば、生活習慣が原因のこともあります。
たとえば、「体が硬くてストレッチをすると痛いので避けてきた」という声は整骨院でもよく聞きます。体が硬いとわかっていても、つい見て見ぬふりをしてしまいがちです。まるで「臭いものに蓋をする」ような状態ですね。

でも、本当に大切なのは、自分の体の弱い部分をしっかり認識し、それを少しずつでも補っていくことです。最初は大変かもしれませんが、そのままにしておくと、年齢を重ねたときに不調として現れてしまうことがあります。逆に、早めに対策を始めれば、症状が出にくくなったり、日々の行動が慎重になったりと、長い目で見たときの健康維持につながります。

自分の体と丁寧に向き合うこと。それが、将来の健康を支える大きな一歩になります。

自分の弱い部分に気づくことが健康への第一歩



自分の体の“弱い部分”を理解することは、健康を保つうえでとても大切です。 まず意識したいのは、体が発しているサインに気づくこと。ここでは、弱点に気づくための具体的な方法をご紹介します。

体のサインを見逃さない

自分の体のことは意外と分かっていないものです。体は常に、何かしらの形で不調のサインを出しています。
たとえば、

・首や肩のこり
・腰痛
・腹痛
・頭痛
・疲労感
などが挙げられます。

「年齢のせいかな」「そのうち治るだろう」と放っておかず、繰り返し起きる不調にはしっかり目を向けましょう。そこには根本的な原因が隠れていることもあります。そのサインに注意を払うことが必要です。

専門家に相談する

自分では気づけない不調やクセも、体の専門家に見てもらうことで明らかになることがあります。
たとえば、体が硬いと感じる人も、整骨院や病院などでアドバイスをもらうと、自分では見落としていた問題や、自分では気づかなかった弱点が見つかるかもしれません。

定期的な健康チェックや整体師などのプロに相談することは、自分の体の状態を正しく知るための大きな助けになります。

日常生活で自分を観察する

日々のちょっとした変化にも目を向けてみましょう。たとえば、

・朝起きたときの体調
・運動後の疲れ具合
・長時間座った後の姿勢や腰の重さ
・仕事中に感じる肩や首の痛み

など細かい変化を記録しておくと、自分の弱点が見えてきます。

また、軽いストレッチや運動を習慣にすると、どの動作で違和感が出るのかがわかりやすくなります。

自分の体の弱い部分を知ることは、よりよいケアや対策につながります。そして、それを補う行動を続けることで、無理なく健康な体を目指すことができます。まずは小さな気づきから始めてみましょう。

弱いからといって悲観することはない

生まれつき体のどこかに弱い部分があったとしても、悲観する必要はありません。 むしろ「弱いからこそ」、日々の生活を丁寧に意識するきっかけになるのです。

体が元々丈夫な人は、不調のサインに気づかず無理を重ねてしまい、ある日突然、取り返しのつかない状態になることもあります。 その点、体に弱さを感じる人は、体からのサインに敏感で、生活習慣に気を配りやすいというメリットがあります。だからこそ、前向きにとらえてほしいのです。

弱点があるからといって不利だと感じる必要はありません。むしろ早い段階からケアを始められるチャンスと考えることができます。

私自身、「側湾症」という背骨がゆがむ症状を患っています。基本的には完治しないとされており、私の場合も手術を必要とするほどではありませんが、弱いところがあることには変わりありません。背骨が歪む症状ですので、何かしら偏る負担があり多くのケースで、肩や腰、股関節に痛みや違和感を感じています。

でも私はこの症状を“宿命”として受け入れ、毎日ストレッチと体幹トレーニングを続けています。正直、大変に感じることもありますが、この習慣そのものが私の健康を支えてくれているのです。

こうした補う努力を続けているおかげで、今では日常生活で側湾症のハンデをほとんど感じていません。もちろん、激しいスポーツや登山などは体に負担がかかるため控えていますが、普通の生活を送るには何の問題もありません。

不利な点をそのままにしておいても、日々の生活にも支障が起こり、将来的にはますます不調が起こることでしょう。補う活動を努力することがとても大切です。

今日からできる!お悩み別・ウィークポイント補強プラン

「自分の弱点はわかったけど、具体的に何をすればいいの?」と思いますよね。ここでは、お悩み別に今日から始められる具体的なケアをご紹介します。

筋肉の硬さ

定期的なストレッチが必要です。ある部位だけでなく全身をバランスよくストレッチすることで関節の可動域を広くさせ痛みの予防に繋がります。

骨格の歪み

整体などの施術を受けることをお勧めします。骨格の歪みは専門的なケアが必要となります。姿勢改善のための施術や、正しい立ち方、座り方、歩き方など生活環境に応じた正しい姿勢を習慣化することが重要です。

胃腸の弱さ

消化に優しい食事内容、栄養についての理解、食事の時間など腸内環境を整える方法をそれぞれの生活環境に応じた内容を身に着ける事が重要です。

自律神経

自律神経は文字通り自律している神経なので自分でコントロールすることができない神経です。なので自律神経は生活リズムを規則正しくすることで整います。その中でも規則正しい食事時間や十分な休息と規則正しい睡眠の確保ができるかがとても重要です。

精神

ストレス管理の方法を学ぶことが有効です。運動や食事の環境にも影響を左右される精神面。ホルモンの理解や自律神経との関係など、整える方法は多岐にわたります。

弱いところを補うことで、日常が少しずつ変わる



自分の体の弱い部分を理解し、それを補うための活動を続けていくと、毎日の生活に少しずつ変化が表れてきます。ここでは、その具体的な効果についてご紹介します。

補うことで不安がやわらぐ

体の弱点に向き合い、ケアを続けることで、不安がやわらぎ、安心感が生まれます。

たとえば、筋肉の硬さや骨格の歪みを放っておくと、「将来、もっとひどくなったらどうしよう」と不安になることがあるかもしれません。 しかし、日々ストレッチをしたり、整体に通ったりすることで、「ちゃんとケアできている」という安心感につながり、心にも余裕が生まれてきます。

続けることで見えてくる変化

弱い部分を補う活動は、すぐに効果が出るものではありません。けれども、続けていくうちに少しずつ体の変化を実感できるようになります。

たとえば、筋肉の柔軟性を高めるために毎日ストレッチをしていると、数週間から数ヶ月後には体が軽く感じられるようになるでしょう。腰痛や肩こりが軽減され、動きやすさが向上します。 また、胃腸の調子を整えるために食事や生活習慣を見直すことで、消化不良・腹痛や便秘が改善され、体全体がスッキリする感覚を得られるようになります。

こうした小さな変化が積み重なることで、結果的に大きな成果へとつながっていき、生活全体にポジティブな影響をもたらします。

日常の中で感じる小さな改善

弱いところを補うための習慣を続けることで、普段の生活の中にも変化が感じられるようになります。

たとえば、「朝起きたときに体が軽く感じる」「仕事中も集中力が続く」といったことが起こってくるかもしれません。さらに、心と体のバランスが整うことで、ストレスや不安を感じる頻度も減り、穏やかな毎日を過ごしやすくなります。

こうした日々の小さな改善は、決して見逃せない大切な成果です。日々の生活の中で、自分の体や心が少しずつ健康的になっていく実感が得られると、モチベーションも高まり、さらに積極的に活動を続けることができるでしょう。

完璧じゃなくていい。自分に合った健康のかたちを

私たちはつい「完璧な健康体」を目指したくなりますが、現実には誰もが何かしらの弱い部分を抱えているものです。 それは筋肉の柔軟性の不足や骨の歪み、胃腸の弱さや自律神経の乱れ、あるいは精神的な不安定さなど、人それぞれ異なります。

大切なのは、そうした自分の弱いところを理解し、それに合ったケアを生活の中に取り入れることです。 放っておくと不調が悪化することもありますが、早めに対策をすれば体や心のバランスを整えることができます。

筋肉を柔軟に保つためのストレッチや運動、骨格のバランスを整えるケア、消化器系や自律神経のケア、さらには栄養バランスや精神的な安定をサポートする活動など、個々の弱いところに合わせたアプローチを続けることで、日常生活の質は少しずつ向上していきます。このように、自分に合った方法を少しずつ取り入れていくことで、日々の生活が楽になっていきます。

「完璧な健康」を求めるよりも、「今の自分にできること」をコツコツ続けていくことが、結果的に健康を長く保つ近道です。 小さな努力の積み重ねが、将来の大きな変化へとつながります。無理なく続けられる方法で、自分らしい健康を育んでいきましょう。

執筆・監修

開原匡彦(かいはらまさひこ)

開原匡彦(かいはらまさひこ)

「根本から健康を支える治療家」

柔道整復師(国家資格)・ダイエットインストラクター(日本ダイエット健康協会)・KOBA式体幹バランストレーニングトレーナー・健康管理能力検定(文部科学省後援)2007年にえびす整骨院を開業し、18年間で延べ3,550人、施術回数84,000回の実績を誇る。

運動・栄養・生活習慣指導の資格を取得し、その場しのぎの施術ではなく、根本から健康を支える施術を実践。患者様一人ひとりの不調の原因を見極め、最適な施術計画を提供することを信条とし、患者様と相互理解を深め、総合的なアプローチで患者様をサポート。健康第一のライフスタイルを貫き、趣味はストレッチ・食養・温泉巡りで、日々自身の健康管理にも努めている。