25歳を過ぎたら要注意。あなたの体で静かに進む5つの変化と、今日からできること

2025年06月12日(木)

25歳を過ぎたら要注意。あなたの体で静かに進む5つの変化と、今日からできること

私たちの体をつくる細胞は、常に新しく生まれ変わっています。この仕組みを「新陳代謝」と呼び、肌が一定の周期で生まれ変わる「ターンオーバー」もその一つです。

この新陳代謝が最も活発になるのが、実は「25歳前後」だと言われています。25歳頃までは、体の成長や修復のスピードが速く、人生で最もエネルギッシュな時期かもしれません。

しかし、25歳を過ぎると新陳代謝のペースは少しずつゆるやかになり、細胞が生まれ変わる力も落ち着いてきます。それに伴い、筋肉のしなやかさや肌のハリが、少しずつ失われていくのを感じるようになります。これは誰にでも起こる自然な体の変化です。

体の変化がゆるやかになるからこそ、日々の生活習慣がとても大切になります。若い頃の過ごし方が、将来の自分の体に「貯金」のように積み重なっていくイメージです。

早いうちから健康を意識した生活を送ることが、このゆるやかな変化の坂道を、もっとゆるやかにするための重要な鍵になります。細胞のピークは25歳、そこからは下り坂です。人生は下り坂のほうが長いのです。

20代や30代は、見た目も若々しく、体力や気力に満ちあふれている方が多いでしょう。だからこそ、「自分が年を重ねたときの体のこと」は、なかなか想像しにくいものです。

多くの方が40代頃から、「なんだか疲れやすくなったな」「昔はもっと動けたのに」といった体の変化を実感し始めます。

そのときになって、「もっと若いうちから、少しでも体に良いことをしておけば良かった…」と後悔する声は少なくありません。若いころのリスクは「自身の歳をとった身体のことを想像できない」ことです。健康活動は早ければ早いほどアドバンテージがあり、先の事を考えるとメリットしかありません。

この記事を読んで、細胞について知り健康的な活動を始めるきっかけにしてみてください。

25歳を過ぎると、体にどんな変化が起こるの?

25歳を過ぎると、体にどんな変化が起こるの?

「若い頃は徹夜で遊んでも、一晩寝れば回復したのに…」「なんだか最近、疲れがとれにくいな…」

ふとした瞬間に、そんな風に感じたことはありませんか?

年齢とともに体が変化するのは自然なこと。その変化にストレスを感じることもありますが、まずは「今の自分の体」と向き合い、受け入れることが大切です。

そして、体の声に耳を傾け、その年代に合ったケアをしてあげることで、これからの毎日をより健やかに過ごすことができます。

体のピークは25歳頃と言われています。そこから少しずつ、細胞が生まれ変わる力や修復する力はゆるやかになっていきます。具体的にどのような変化が起こるのか、5つのポイントを見ていきましょう。

1. 筋肉量の減少(疲れやすさの原因に)

何もしないと、年齢とともに筋肉量は自然と減っていきます。これを専門用語で「サルコペニア」と呼びます。 筋肉が減ると、体を支える力が弱まってケガをしやすくなるだけでなく、基礎代謝も低下します。基礎代謝とは、じっとしていても消費されるエネルギーのこと。これが落ちると、「食事量は変わらないのに、太りやすくなった」と感じる原因になります。

2. 骨密度の低下(将来の骨折リスク)

骨の強さ(骨密度)も、25歳をピークに徐々に低下していきます。特に女性は、閉経後にそのスピードが速まる傾向があります。骨密度が低下して骨がもろくなると、将来「骨粗しょう症」という、ささいなことで骨折しやすくなる病気のリスクが高まります。若い頃からカルシウムやビタミンDをしっかり摂取し、適度な運動をすることで骨密度を維持することが重要です。

3. 代謝の低下(ぽっこりお腹の原因に)

25歳を過ぎると筋肉量の減少に伴い、エネルギーを消費する力(代謝)も落ちてきます。20代の頃と同じ感覚で食事をしていると、消費しきれなかったエネルギーが脂肪として蓄積され、体重増加につながります。その年代に応じた食事量や栄養バランスを考える必要があります。代謝の低下は、特に無意識のうちに体に蓄積される脂肪の増加を引き起こし、心血管疾患や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高める要因となります。

4. 肌の老化と修復力の減退(見た目年齢に影響)

若い頃は肌の細胞が速やかに再生し、傷やダメージも早く治ります。しかし25歳を過ぎると皮膚細胞の修復力が低下し、シミやシワが目立つようになります。コラーゲンやエラスチンといった肌の弾力を保つ成分の生成が減少し、乾燥やたるみなどの老化現象が進行します。肌のターンオーバー(肌の細胞が生まれ変わる周期)は栄養バランスや有酸素運動、良質な睡眠を続けることで、促進させることができます。年齢を重ねた際に、生活習慣に気を使われている方の方が若々しく張りのある体に見えるのには理由があります。

5. 内臓機能と免疫力の変化(病気への抵抗力)

目には見えませんが、内臓の働きも少しずつ変化します。消化する力が弱まったり、栄養の吸収効率が落ちたりすることがあります。また、体を守る免疫機能が低下することで、風邪をひきやすくなったり、治りにくくなったりと感じることが増えていきます。免疫力の低下は、風邪などの感染症に対する防御が弱くなるだけでなく、慢性炎症のリスクを高め、健康全般に悪影響を及ぼします。

未来の自分が変わる!今すぐ始めたい2つのこと

未来の自分が変わる!今すぐ始めたい2つのこと

健康的な活動は早ければ早いほど、将来的なリスクを大幅に軽減します。特に、生活習慣病や筋力低下、さらにはメンタルヘルスの問題など、さまざまなリスクが若い頃からの健康管理によって予防できるのです。

「じゃあ、どうすればいいの?」

答えはとてもシンプルです。継続的な「運動」と「食事管理」。この2つが、あらゆる体の変化に対抗する力を育ててくれます。

運動の効果

筋力の強化や骨の強化、転倒や怪我のリスク低下、姿勢の歪み予防、慢性的な痛みの予防、うつ病の予防、内臓も筋肉で出来ているため、内臓機能の向上にも繋がります。

食事管理の効果

筋肉や骨に良質な栄養を供給し、運動効果をさらに引き出すことができます。食事や運動管理ができている状態だと免疫力も強化されていきます。健康的な活動=美容に通ずるところがたくさんあり、肌の老化や修復力の強化にも繋がります。

東洋医学の古い医学書にこう記述されています

【聖人はすでに病んでしまったものを治すのではなく、未病を治すものである。病気が現れてから治療を施すというのは、のどの渇きを覚えてから井戸を掘ったり、戦いが始まってから武器を鍛錬したりするようなものだ。】

症状や病気が起きてから、治療を開始するのではなく、病気にならないように予防する、手前で食い止める、「未病で治す」という考え方がとても大事です。 まだまだ若いからと思っていてもあっという間に時間は過ぎ去ります。その時間を丁寧に過ごすことが将来、あの時から健康に気を使ってきてよかったと思える日がくるはずです。

中年期以降、避けるべき運動とは?

中年期以降、避けるべき運動とは?

25歳を過ぎてからの身体的な変化は避けられないものです。とはいえ中年以降でも、健康的な活動を始めることで体に良い影響を与えることはもちろん可能です。「もう遅すぎる」と感じることはありません。

25歳から退化をしていくという事実は、実際には30代後半から40代頃にならないと気が付きにくいと思われます。だからといって若いころから健康活動を始めなかったことに後悔する必要はありません。なぜなら、たとえ中年期に入ったとしても、運動や食事管理を始めることで、改善がみられることは科学的にも解明されているからです。

実際に50代、60代になっても筋力を強化することは可能ですし、内臓機能も強化することが可能です。当院でも、薬の必要がなくなるくらい血圧が下がった、膝が痛くて歩くのも辛かった症状が緩和された、代謝が上がり理想的な体重まで落ちた、などなど結果が起きた事例はいくつもあります。たとえ開始が遅れたとしても、十分に価値のある活動であることには間違いありません。

しかし気を付けるべきポイントが一つだけあります。それは中年期以降は、ランニングなど激しい運動から始めないということです。ランニングではなくストレッチやウォーキングなどの有酸素運動といった体に優しいが効果的な活動が好ましいです。体力がついてきて、段々と運動の負荷を上げていくように、いきなり過度な運動にならないようにだけ注意されてください。

また、食事面では、若い頃よりも消化の力が弱まっているため、消化に悪い高血糖、高脂質な食事は内臓に負担がかかりすぎこともあり、より栄養バランスを意識する必要があります。糖質、脂質、タンパク質の三大栄養素にビタミン、ミネラル、食物繊維と全ての栄養素をバランスよく摂取してまいりましょう。


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「もう遅い…」なんてない!健康的な生活を続けるための3つのコツ

「もう遅い…」なんてない!健康的な生活を続けるための3つのコツ

「健康に良いのはわかるけど、始めるのが億劫」「一度始めたけど、続かなかった…」 そんな方も多いのではないでしょうか。でも、大丈夫。何歳から始めても、体は必ず応えてくれます。大切なのは、無理なく「続ける」こと。そのための3つのコツをご紹介します。

1. まずは「小さな一歩」から

「完璧に準備してから…」と考えていると、なかなか始められません。「今日は一駅手前で降りて歩いてみる」「とりあえず5分だけストレッチする」など、最低限の準備でOK。まずは最初の一歩を踏み出すことが何よりも重要です。

2.「簡単」で「負担が少ない」ことから

これまで運動習慣がなかった人にとって、急にハードな運動は禁物。挫折の原因になります。 「毎日1万歩!」のような高い目標ではなく、「週に2回、15分のウォーキングから」というように、自分が「これならできそう」と思える目標から始め、少しずつステップアップしていきましょう。

3. 誰かを「巻き込む」

一人で黙々と続けるのが苦手なら、家族や友人と一緒に始めるのも良い方法です。「今日これだけ歩いたよ」と報告し合ったり、誰かに「運動した?」とチェックしてもらったりするだけでも、モチベーション維持につながります。


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未来のあなたのために、今日からできること

人間の体は25歳をピークに緩やかに変化していきますが、その下り坂をどれだけ穏やかにするかは、私たち自身の行動にかかっています。若い時期に健康的な活動を始めることはもちろん理想的ですが、たとえ中年期に差しかかってからでも、健康的な生活を送ることに遅すぎるということは決してありません。

20代、30代と若いうちから運動や食生活に気を配ることで、加齢による身体の変化に対抗する力が強まるため、早ければ早いほど健康を得られるアドバンテージがあり、健康な人生を送るための土台を築くことができます。 だからといって現在の年齢が何歳であれ、健康的な生活習慣を始めることには常に価値があります。遅れて始めたとしても、運動やバランスの取れた食事がもたらす効果は大きく、生活習慣病の予防など、年齢に関係なく健康への恩恵を高めることができます。

健康的な生活を一時的な取り組みとしてではなく、ライフスタイルの一部として取り入れることが重要です。健康活動はイベントではなく習慣です。無理のない目標を設定し、日々少しずつ体を動かす習慣を持続することで、長期的に健康を維持することができます。サポートを得たり、自分の進歩を記録することで、モチベーションを保ちながら健康活動を続けることができるでしょう。

未来の自分が「あのとき始めておいて良かった」と感謝してくれるはず。
その日のために、今日からできる小さな一歩を、一緒に踏み出してみませんか?

執筆・監修

開原匡彦(かいはらまさひこ)

開原匡彦(かいはらまさひこ)

「根本から健康を支える治療家」

柔道整復師(国家資格)・ダイエットインストラクター(日本ダイエット健康協会)・KOBA式体幹バランストレーニングトレーナー・健康管理能力検定(文部科学省後援)2007年にえびす整骨院を開業し、18年間で延べ3,550人、施術回数84,000回の実績を誇る。

運動・栄養・生活習慣指導の資格を取得し、その場しのぎの施術ではなく、根本から健康を支える施術を実践。患者様一人ひとりの不調の原因を見極め、最適な施術計画を提供することを信条とし、患者様と相互理解を深め、総合的なアプローチで患者様をサポート。健康第一のライフスタイルを貫き、趣味はストレッチ・食養・温泉巡りで、日々自身の健康管理にも努めている。