体内時計が人生を変える!サーカディアンリズムで快眠・快調ライフ

2025年08月20日(水)

体内時計があなたの健康を決める!サーカディアンリズムの秘密



人間の体には「体内時計」と呼ばれる約24時間周期のリズムがあります。これをサーカディアンリズム(概日リズム)といいます。

このリズムは「睡眠の周期」「体温」「自律神経」「免疫系」「ホルモン分泌」などをコントロールしており、私たちの心身のバランスを整える重要な仕組みです。

たとえば、朝に自然と目が覚めて夜に眠くなるサイクルや、食欲が湧く時間帯、ホルモンが分泌されるタイミングなどもサーカディアンリズムに支えられています。これらが連動しているおかげで、体調や気分が安定し、健康を保つことができます。

しかし、仕事や子育て、趣味などで夜更かしをしたり、不規則な生活を続けたりすると、このリズムは乱れてしまいます。実際に、そうした生活習慣からリズムの乱れに悩む人は増えています。

サーカディアンリズムが乱れると、健康リスクも高まります。たとえば、不眠症などの睡眠障害や頭痛、肩こり、腰痛などの不調だけでなく、代謝の乱れによる肥満や高血圧といった生活習慣病、さらには免疫力の低下につながることもあります。

今回のブログでは、

・サーカディアンリズムの仕組み
・リズムが乱れる原因
・乱れることで生じる健康リスク
・乱れを防ぎ整えるための具体的な方法

について解説していきます。生活リズムを見直すきっかけとして、ぜひ最後までお読みください。

光でリセット!サーカディアンリズムの仕組み



サーカディアンリズムとは、体が約24時間の周期で活動をコントロールする仕組みのことです。その中心となるのが「体内時計」と呼ばれるシステムです。体内時計は脳の視床下部という場所にあります。

体内時計は、朝に目覚めて夜に休むサイクルをつくるために働いています。たとえば、朝から昼にかけて体温や血圧を上げて体を活動的にし、夜になると下げてリラックスさせるよう調整しています。

分泌されるホルモンの中で、特に注目すべきは「メラトニン」と「コルチゾール」という2つのホルモンです。

メラトニン(睡眠ホルモン)

夜になると体内時計の指令で分泌量が増え、自然な眠りを促します。

コルチゾール(ストレスホルモン)

朝に分泌量がピークとなり、日中の活動に必要なエネルギーを生み出します。夜には分泌が減るため、体はリラックスしやすくなります。

この2つのホルモンの働きによって、朝はすっきり目覚め、夜は自然と眠くなるリズムが生まれます。また、活動の質やストレスへの強さにも関わっています。

そしてこれら2つのホルモンは朝の光を浴びることで体内時計がリセットされ、規則的に働きます。

特に朝や日中に太陽の光を浴びることで、体内時計が「昼である」と認識し、夜に向けて睡眠ホルモンであるメラトニンを分泌するための準備をはじめます。 サーカディアンリズムは光の刺激を受けることで体内時計を整え、ホルモンや自律神経のリズムも調整し、24時間という活動周期を作っています。

夜更かしで崩れる?リズムを乱す意外な習慣





前項でお伝えしたように、サーカディアンリズムは光の刺激によって体内時計がリセットされ、睡眠・活動・食欲などが規則正しく働きます。つまり、体内時計の「時刻合わせ」に最も大きな影響を与えるのは【光】です。

しかし、夜遅くまで明るい環境で過ごしたり、朝遅い時間まで寝て太陽の光を浴びる時間が遅れたりすると、うまく時刻合わせができず体内リズムが乱れてしまいます。その結果、メラトニンやコルチゾールといったホルモンの分泌タイミングもずれ、さらにリズムの乱れを招きます。

また、食事の時間が毎日バラバラだったり、運動不足が続いたりすることもリズムを乱す原因になります。こうした生活習慣の積み重ねによってサーカディアンリズムが乱れると、体内時計の働きが不安定になり、健康にさまざまな悪影響を及ぼすのです。

サーカディアンリズムの乱れが招く5つの健康リスク



サーカディアンリズムが乱れる=体内時計がうまく働かなくなると、さまざまな健康リスクが生じます。ここでは代表的な症状をご紹介します。

睡眠障害

睡眠ホルモンが適切なタイミングで分泌されなくなり、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりします。睡眠中に目が覚めたり、朝の目覚めが悪くなることもあります。睡眠障害が続くと、日中の集中力やパフォーマンスが落ち、生活に支障をきたします。

精神疾患

ストレスホルモン(コルチゾール)が乱れて分泌されると、心の安定を保ちにくくなります。その結果、ストレス耐性が弱まり、さらに睡眠リズムの乱れが重なることで、うつ病などの精神疾患につながることもあります。

肩こり・腰痛

自律神経は規則的なリズムで働くことで安定します。しかし、サーディアンリズムが乱れると自律神経も乱れが生じてきます。自律神経が乱れている状態では血流が悪くなり筋肉の緊張が起こります。これが肩こりや腰痛の原因になります。

頭痛

肩こり、腰痛と同じように血流が悪くなることで、頭痛が起こりやすくなります。頭痛の中で最も多い原因は自律神経の乱れによるものです。

生活習慣病(肥満・糖尿病・高血圧)のリスク増加

リズムの乱れは食欲をコントロールするホルモンにも影響します。その結果、代謝が低下して太りやすく痩せにくい体質になります。さらに不規則な睡眠や食事が続くと、血糖値や血圧の調整機能に負担をかけ、生活習慣病の発症リスクを高めます。 以上のように、サーカディアンリズムの乱れは心身の健康に大きな影響を与えます。日常生活の中で意識して整えることがとても大切です。

今日からできる!体内時計を整える5つの習慣



サーカディアンリズムは、自律神経の働きもコントロールしています。 自律神経は規則正しい生活リズムで食事・運動・睡眠を行うことで整っていきます。つまり自律神経を整える習慣そのものがサーカディアンリズムを整えることにつながります。

ここからは、サーカディアンリズム、自律神経を整える実践的な方法を紹介していきます。

光のコントロール

一番効果的なのは「光(太陽光)」です。朝に太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされます。 反対に夜は明るい光を避けることが大切です。特にスマホやパソコンは就寝1時間前から控えるのがおすすめです。ブルーライトは睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌を妨げるため、眠りの質を下げてしまいます。

就寝・起床時間を一定にする

寝る時間と起きる時間をできるだけそろえましょう。休日だからといって遅くまで寝てしまうと、かえってリズムが乱れて体調不良につながります。睡眠時間は個人差がありますが、おおよそ7〜8時間を目安にしましょう。まずは「起きる時間を一定にする」ことから始めると整いやすいです。

決まった時間帯に食事を摂る

1日3食をなるべく同じ時間にとることで体内時計が安定します。特に朝食は大切で、体内時計をリセットする働きがあり、体を「日中モード」に切り替えるスイッチの役割を果たします。 食事をするタイミングの目安は、朝食=起床後30分〜1時間、昼食=朝食から4〜6時間後、夕食=昼食から6〜8時間後がおすすめです。

適度な運動をする

ウォーキングやストレッチなど適度な運動は、睡眠の質を高め、ホルモン分泌のリズムも整えてくれます。特に朝や午前中の運動は体内時計をリセットする働きがあります。朝の運動は体温や代謝を高め、日中に活動的になることで自律神経を整える作用があります。

入浴をする

シャワーだけで済ませず、湯船に浸かることで睡眠の質が高まり、リラックス効果も得られます。

これらの習慣をすべて一度に取り入れる必要はありません。大切なのは、無理のない範囲から少しずつ始めることです。自分の生活に合うものを取り入れていけば、乱れたサーカディアンリズムも徐々に整っていきます。自分にとって無理のない範囲からスタートし、少しずつ生活スタイルにフィットさせるよう心がけてみてください。

快眠・快調・快適!サーカディアンリズムが変える毎日

サーカディアンリズムとは、体が自然に刻む約24時間周期の体内時計です。このリズムが整っていると、睡眠と覚醒の切り替えがスムーズになり、ホルモン分泌や代謝、精神の安定など、心身にさまざまな良い影響をもたらします。

一方で、夜更かしやスマホのブルーライトなどによって、このリズムは簡単に乱れてしまいます。肩こりや腰痛、頭痛、睡眠障害などの症状に悩んでいる方は、サーカディアンリズムの乱れが原因の一つと考えられます。

人の体は、規則的な生活によって自律神経やホルモンが調整されています。乱れたリズムが続けば続くほど症状は慢性化し、元のリズムに戻りにくくなります。

今の体の状態は、日々の習慣の積み重ねの結果です。人間本来の機能を正常に働かせるためには、起床・就寝・食事・運動をできるだけ規則正しく整えることが大切です。

とはいえ、いきなり全てを整えていくには生活環境により難しいこともあるかと思います。 まずは「朝に太陽の光を浴びる」「夜は明るい環境を避けてしっかり休む」といった小さな習慣から始めましょう。それだけでもサーカディアンリズムは少しずつ整い始めます。

少しの一歩からで問題ありません。

サーカディアンリズムを意識した生活は、質の高い睡眠、効率的な活動、健康的な体づくりなど多くのメリットをもたらします。逆に、乱れたリズムを放置すると生活習慣病や精神的ストレスなどのリスクが高まります。

ぜひ今回の記事を参考に、日常に取り入れやすいことから実践してみてください。小さな変化を積み重ねることで、心身の健康が向上します。日々の生活をより快適に充実したものにしていきましょう。

執筆・監修

開原匡彦(かいはらまさひこ)

開原匡彦(かいはらまさひこ)

「根本から健康を支える治療家」

柔道整復師(国家資格)・ダイエットインストラクター(日本ダイエット健康協会)・KOBA式体幹バランストレーニングトレーナー・健康管理能力検定(文部科学省後援)2007年にえびす整骨院を開業し、18年間で延べ3,550人、施術回数84,000回の実績を誇る。

運動・栄養・生活習慣指導の資格を取得し、その場しのぎの施術ではなく、根本から健康を支える施術を実践。患者様一人ひとりの不調の原因を見極め、最適な施術計画を提供することを信条とし、患者様と相互理解を深め、総合的なアプローチで患者様をサポート。健康第一のライフスタイルを貫き、趣味はストレッチ・食養・温泉巡りで、日々自身の健康管理にも努めている。